「調製豆乳」と「無調整豆乳」の違い
みなさんは豆乳に種類があるのはご存知でしょうか?
よくお店で見かけるのは「調製」「無調整」ですね。「調製豆乳」は、カルシウムや砂糖などの調味料を加えて飲みやすくしたもの。
「無調整豆乳」の原料は、大豆と水のみなので、大豆本来の味を楽しむことができます。
そしてもう一つは「豆乳飲料」。豆乳にコーヒーやフルーツなどの風味をつけた飲み物ですが、豆乳の使用量は無調整豆乳の約2分の1から4分の1程度です。
現在は、昔とくらべてさまざまな豆乳が販売されています。自分好みの味を見つけるために、飲み比べしてみてはいかがでしょう。
マルサンアイは、味噌づくりが盛んな愛知県岡崎市で、1952年(昭和27年)に産声を上げました。
創業当初は、味噌づくりが中心でしたが、出荷量の下がる夏場の主力商品として1971年(昭和46年)に豆乳づくりをスタートさせました。そして現在にいたるまで、つねに豆乳の品質向上に努めてきました。
創業から大豆にこだわりつづけ、味噌と同じ大豆を使用した商品開発から生まれたマルサンアイの豆乳。
その製造工程についてご紹介いたします。
今回紹介するのは、原料が大豆と水のみの「無調整豆乳」の製造ラインです。
当社は、徹底したオートメーション化を進め、安定した品質の豆乳をつくり続けています。
(参考:「マルサングループと大豆とSDGs」代表的なたんぱく質源となる食料の単位面積当りのたんぱく質生産量)
私たちが大切にしている大豆は実はエコな食糧資源です。
\大豆についてもっと詳しくはこちら/
大豆納入業者さんで皮をむき、半分に割られた大豆が入っている袋は、1つ600kg。
大豆の種類ごとに分けられて4つのサイロに投入します。
サイロは、4,000kgの大豆を入れることができます。
4,000kgの大豆からは、約30tの無調整豆乳がつくられます。
「サイロ」
原料は、輸入大豆や国産大豆、有機大豆などを使い分けています。
豆乳づくりで培われた長年の経験によってそれぞれの豆乳に最適な大豆を厳選。もちろん、すべて遺伝子組換えでない大豆(Non-GMO)を使用しています。
とくに最近では、青臭さ、渋みが少ない国産プレミアム大豆を使用した豆乳を開発。コクのある飲みごたえで、すっきりとした後味が特徴です。
この特別な豆乳“ひとつ上の豆乳”が味わえるのはマルサンアイだけ。ぜひ一度、お試しください。
「サイロ」から「磨砕機」に送られた大豆は、熱湯とともに細かくすりつぶして砕きます。
粗く砕かれた(粗磨砕)大豆は、さらに目に見えないくらいの大きさ(微磨砕)にしていきます。
マルサンアイでは、飲みやすい豆乳をめざし「大豆まろやか製法」を開発。
豆乳の青臭さや渋みをおさえる “酵素失活(こうそしっかつ)”と呼ばれる豆乳づくりには欠かせない技術を独自に研究してきました。
さらに、口当たりのなめらかさをよくする“均質化(きんしつか)”という製造工程にも力を入れています。
豆乳の青臭さや渋みは、大豆が持つ酵素の働きが原因です。
酵素の働きを抑えるため、高い温度で加熱。これを「酵素失活」といいます。
酵素失活した大豆は「呉汁(ごじる)」と呼ばれるドロドロ状態の液体。
「呉汁」は高速でドラムが回転する「遠心分離機」にかけられ、「粗豆乳(粗い豆乳)」と「おから」に分離されます。
「おから遠心分離機」
「おから」
おからは水分量が多く、腐りやすいという問題点がありました。
ただ多くの栄養素を含むおからの有効活用をしたいと考えた当社は「おから乾燥施設」を2002年に導入しました。
現在では、おからをこの処理施設で乾燥させ、食品用や飼料として生まれ変わっています。
以前は廃棄されていたおからの約半分が、乾燥おからとしてリサイクルされるようになりました。
「呉汁」から「粗豆乳(粗い豆乳)」になった豆乳は、大豆の粒子を均一にする「均質化」をおこないます。(1回目の均質化)
「調合タンク」
「調製豆乳」づくりの場合、今までの工程に加え、調合タンクという設備でカルシウムや糖などを調合し、味を調えます。
均質化した豆乳を、超高温で短時間に殺菌します。そうすることで、大豆本来の風味がいかされます。
タンク内を減圧状態にして、臭いを吸引し、脱臭します。
「減圧脱臭装置」
「均質化装置」
当社では、最後の仕上げとして、二度目の均質化をします。
高い圧力をかけながら、豆乳をさらになめらかにしていきます。
「無菌充てん装置」
豆乳をつめる容器は、リサイクルが可能な紙容器で、軽くて丈夫。無菌状態の「アセプティックライン」で容器に豆乳をつめていきます。
1時間に約7,000パックの豆乳をつめることができます。
「キャッパー」
豆乳が入った容器にキャップを装着していきます。
容器のへこみや、賞味期限の印字の不備がないかをチェックしたあと、1Lの豆乳を1ケース6本ずつ箱づめします。
この機械は、1時間で約1,100ケースも箱づめすることができます。
「段ボールケーサー」
容器へ充てんされた豆乳は、「微生物検査」「理化学検査」や、人間の五感を用いる「官能検査」をおこないます。
厳しい品質規格を守り、お客さまへ安全・安心な商品をお届けしています。
サンプリングした豆乳を培養し、
微生物検査をしています。
オートメーション化された工場内では、パレット積みはロボットがおこないます。
こうすることで、作業員の安全を守り、作業効率アップにもつながっているのです。
「パレット積みロボット」