画像:大豆と〇〇シリーズ 第1回「大豆と骨」

大豆と〇〇シリーズ 第1回「大豆と骨」

大豆は、骨にどのくらい重要か皆さんご存知でしょうか。一般的には骨を丈夫にするためには「カルシウム」が必要とされていますが、大豆は古くから人類の食生活を支えてきた重要な食材です。 近年、その栄養価の高さから、健康食品としても注目を集めています。特に、骨粗しょう症予防に効果があると期待されています。第1回の大豆と◯◯シリーズでは、「大豆と骨」の関係についてご紹介します。

カルシウムだけではない、骨強度や骨密度を守る栄養素

INDEX

骨は、カルシウムの貯蔵庫

骨の健康は、骨密度だけでなく骨強度も関係する

骨を守るための大豆イソフラボン

まとめ

骨は、カルシウムの貯蔵庫

画像:骨は、カルシウムの貯蔵庫

骨を作るためには、カルシウムも大事ですが、カルシウムだけでは、骨は成り立ちません。その他にも大事な栄養素はたくさんあります。骨の構成要素をおさらいしてみます。骨の骨格は、コラーゲンです。その周りを形作っているのはカルシウムやリンで構成されるヒドロキシアパタイトなどです。その他にも、マグネシウムなどのミネラルもあります。骨の中にも血管が存在し、栄養素を運ぶと同時に、体内のカルシウムバランスを保つ働きもしています。骨の維持には、ビタミンDも必要ですし、太陽の光から得られる紫外線も大事な役割を果たします。骨は、私たちの体を支える骨格にはなりますが、そのほかにもカルシウムの貯蔵庫としての役割を持ちます。カルシウムは、体内の至る所で必要なので、それを不足することの無いように骨に蓄えられており、必要に応じて骨から運搬されるのです。

骨の健康は、骨密度だけでなく骨強度も関係する

画像:骨の健康は、骨密度だけでなく骨強度も関係する

骨が強いという表現は、骨密度が影響してきますが、骨密度が高いからといって良いわけでもありません。骨強度(しなりや錆(糖化))も関係します。骨密度が高くても、骨強度(骨質)が劣化していれば、折れやすくもなるわけです。骨の強度を守るためには、上で示した構成要素だけでなく、物理的刺激や紫外線のビタミンDの活性化も大事ですし、女性ホルモンも骨強度を守るための重要な働きをしているわけです。

骨を守るための大豆イソフラボン

画像:骨を守るための大豆イソフラボン

大豆は、たんぱく質が豊富な上に、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンが多く含まれ、骨強度や骨密度を守る働きをする栄養素を豊富に含みます。

【大豆の主な成分】

イソフラボン :
女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをする成分です。閉経後の女性ではエストロゲンの分泌量が減少するため、骨密度が低下しやすくなります。イソフラボンは、エストロゲンの代わりとなり、骨密度を維持するのに役立ちます。
カルシウム :
豆腐など、大豆製品にはカルシウムを豊富に含むものがあります。
マグネシウム :
大豆にはマグネシウムも豊富に含まれています。
大豆製品のビタミンK :
納豆にはビタミンKが豊富に含まれています。
たんぱく質 :
大豆は植物性たんぱく質の良質な供給源です。

骨にとって、大豆は構成要素のコラーゲンの元になるたんぱく質や女性ホルモン作用を助ける大豆イソフラボンの成分を補充できる大事な食品と言えます。大豆食品をしっかり摂ることで、骨を健康にすることが期待できると言われています。

まとめ

大豆食品を毎日の食事に取り入れることで、骨粗しょう症の予防だけでなく、骨の健康維持にも役立てることができます。

骨の健康を維持するためには、カルシウムだけでなく、様々な栄養素をバランス良く摂取することが重要です。 大豆は、これらの栄養素を豊富に含んでいるため、積極的に食事に取り入れることをおすすめします。

さらに、骨の健康を維持するためには、以下の点にも注意しましょう。

適度な運動をする:
運動は、骨密度を維持し、骨粗鬆症を予防するのに効果的です。
喫煙、過度な飲酒、睡眠不足:
骨粗鬆症のリスクを高めます。

これらの生活習慣を心がけることで、より効果的に骨の健康を維持することができます。

小川 静香 先生

監修

小川 静香先生

管理栄養士・公認スポーツ栄養・博士(医学)

日本女子大学家政学部卒業後、東北大学大学医学系研究科運動学分野を修了。企業では、豆乳や大豆の機能性に関わる研究に従事し、管理栄養士として幅広く活動してきた。趣味の筋トレとトライアスロンのトレーニングにみそや豆乳を活用し、体作りや大会に向けたコンディショニングを実践する中で、スポーツ栄養の重要性を感じ、アスリートへの栄養サポートを実施。最近では腸内環境を専門的に学び、その知見をいかした栄養セミナーなども行っている。

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