豆乳は牛乳に置き代わるのか??
豆乳は大豆からおからを取り除いて作られた飲料で、乳とついていますが、大豆抽出飲料です。よく、豆乳は牛乳の代わりになるのかとご質問頂くことが多いです。どの成分を基準にして話すかで、豆乳は牛乳の代わりにもなるし、代わりにならないこともあります。
豆乳に多く含まれる大豆イソフラボンで骨をサポート!
豆乳と牛乳のカルシウムについて
学校給食の牛乳を豆乳に置き換えられるか?となると、学校給食の必要な栄養素のカルシウムは牛乳を除くと目標量に届かなくなってしまうため、「カルシウム」に着目すると豆乳は牛乳の代用にはなりません。豆乳と牛乳の成分表をご覧いただくと分かるように、大豆にはカルシウムがごくわずかしか含まれていないです。
豆乳と牛乳に含まれる成分を比較してみると…
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)
豆乳と牛乳のたんぱく質について
カルシウムを目的に飲用することは難しいですが、たんぱく質源として着目すると、代用は可能と考えます。また議論の1つにもなりますが、骨サポートの為にカルシウムだけが必要なのでしょうか。骨を丈夫にするには、骨の主体成分でもあるコラーゲン(たんぱく質)とカルシウムやビタミンDなどが必要です。カルシウムだけが必要なわけでもありません。豆乳には、豆乳にしか含まれない大豆イソフラボンがあります。つまり、カルシウム補給として豆乳は牛乳に置き代わることは出来ませんが、骨をサポートする機能を期待してなら豆乳は牛乳に置き換われる可能性があると考えます。
まとめ
私は豆乳を飲むようになってから、牛乳を飲むことはほぼなくなりました。しかし、体は丈夫な方だと思います。ハードなトレーニングを続けても問題ありません。一方、成長期のアスリートにとっては、カルシウムは大事ですので、牛乳などの乳製品で摂取することは有効かと思いますが、牛乳は脂質も高いですし、牛乳だけでカルシウムを補給することはお勧めしません。
小魚や海藻類、カルシウムを多く含む野菜などを積極的に選択して普段の食事に取り入れて頂ければと思います。豆乳は牛乳に置き代わるかどうかは、摂取したい栄養素によって答えは変わるのかと考えます。牛乳のメリットやデメリットも良く考慮して選んでいただきたいですし、豆乳のメリットも多くありますので、賢く選択して取り入れて頂けると嬉しいです。
監修
小川 静香先生
管理栄養士・公認スポーツ栄養・博士(医学)
日本女子大学家政学部卒業後、東北大学大学医学系研究科運動学分野を修了。企業では、豆乳や大豆の機能性に関わる研究に従事し、管理栄養士として幅広く活動してきた。趣味の筋トレとトライアスロンのトレーニングにみそや豆乳を活用し、体作りや大会に向けたコンディショニングを実践する中で、スポーツ栄養の重要性を感じ、アスリートへの栄養サポートを実施。最近では腸内環境を専門的に学び、その知見をいかした栄養セミナーなども行っている。