画像:なぜ、ご飯とみそは相性がいいの?

なぜ、ご飯とみそは相性がいいの?

和食の定番と言えば、ご飯とみそ汁。定食にすると必ずみそ汁がついてきます。平安時代、みそは、高貴な食品だったそうですが、みそ汁として飲み始められたのが、鎌倉時代、一般の食卓に登場するようになったのは、室町時代と言われています。昔は、栄養が良いから、などという理由で食卓並ぶようになったわけではないと思いますが、これらの相性は抜群なのです。

ご飯とみその相性が良い訳

INDEX

歴史的背景

ご飯と大豆のアミノ酸バランス

食後血糖値のコントロール

みそ汁の栄養価と健康効果

まとめ

歴史的背景

画像:歴史的背景

みそは平安時代には高貴な食品として扱われていましたが、みそ汁として一般の食卓に登場するようになったのは鎌倉時代のことです。室町時代には、みそ汁が庶民の食卓に定着し、重宝されるようになりました。現代でも、みそ汁は家庭料理の一部として広く親しまれています。

ご飯と大豆のアミノ酸バランス

画像:ご飯と大豆のアミノ酸バランス

お米にもたんぱく質が含まれていますが、そのアミノ酸組成は不完全です。そこで、大豆製品が重要な役割を果たします。大豆はお米に不足しがちな必須アミノ酸を補うことで、バランスの良いアミノ酸を摂取できるようにしてくれます。具体的には、大豆に含まれるリジンが不足しているお米のたんぱく質を補完し、体内で効率よく利用されるようになります。

食後血糖値のコントロール

画像:食後血糖値のコントロール

ご飯と大豆製品を一緒に摂ることで、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。これにより、インスリン【※1】の分泌を適切にサポートし、血糖値を安定させる効果が期待できます【※2】。特にGI値(グリセミック・インデックス)が低い大豆製品を取り入れることで、血糖値【※3】の急上昇を防ぎ、健康的な食生活を送ることができます。

みそ汁の栄養価と健康効果

画像:みそ汁の栄養価と健康効果

みそ汁は、体を温めるだけでなく、さまざまな健康効果をもたらします。みそは発酵食品であり、消化吸収が良く、ミネラルやビタミンが豊富に含まれています。さらに、みそ汁の具材を変えることで、多様な栄養素を取り入れることができます。例えば、季節の野菜や海藻類を加えることで、ビタミンやミネラルを効率よく摂取することができます。

みそ汁の具体的な健康効果 :

消化促進 :
発酵食品であるみそは消化吸収が良く、胃腸に優しい。
ミネラル補給 :
みそには鉄、マグネシウム、亜鉛などのミネラルが豊富。
免疫力強化 :
乳酸菌は腸内環境を整え、免疫力を向上させる。

まとめ

ご飯とみそが相性が良い理由は、歴史的背景に加え、栄養学的にも理にかなっているからです。お米と大豆を組み合わせることで、バランスの取れたアミノ酸を摂取でき、血糖値のコントロールにも寄与します。また、みそ汁は体を温め、消化吸収を助けるだけでなく、多様な栄養素を補給できる健康食品です。

寒い季節には、体を温めるみそ汁をぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。季節の野菜や海藻類を加えて、自分だけのオリジナルみそ汁を楽しむことで、飽きずに続けることができます。みそ汁で健康をサポートしながら、美味しい食卓を楽しみましょう。

【※1】e-ヘルスネット 情報提供, 「インスリン」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html【※2】杉山みち子ら、Eur J Clin Nutr 57: 743–752, 2003【※3】e-ヘルスネット 情報提供, 「血糖値」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-085.html

小川 静香 先生

監修

小川 静香先生

管理栄養士・公認スポーツ栄養・博士(医学)

日本女子大学家政学部卒業後、東北大学大学医学系研究科運動学分野を修了。企業では、豆乳や大豆の機能性に関わる研究に従事し、管理栄養士として幅広く活動してきた。趣味の筋トレとトライアスロンのトレーニングにみそや豆乳を活用し、体作りや大会に向けたコンディショニングを実践する中で、スポーツ栄養の重要性を感じ、アスリートへの栄養サポートを実施。最近では腸内環境を専門的に学び、その知見をいかした栄養セミナーなども行っている。

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