豆乳と腸内環境の関係
腸内環境を整えることが健康維持に役立つことが徐々に明らかにされてきており、ここ数年長らく腸活ブームが続いています。実は、豆乳も腸活に役立つ食品であることをご存知でしょうか。本記事では、豆乳に含まれる腸によい栄養素についてご紹介します。
腸活と腸内フローラ
腸活とは、食事や運動、睡眠などの生活習慣を改善することで、腸内環境を良好に保つ活動を指します。腸内環境を整える上で鍵となるのが、腸内に存在する無数の細菌が構成する「腸内フローラ」のバランスです。小腸は全長が6~7m、大腸はおよそ1.6mある消化管で、腸内にはおよそ1,000種類の多種多様な細菌が約100兆個も生息しているといわれています。腸内細菌が腸の壁に隙間なくびっしりと棲み着いている状態が、お花畑に見えることから「腸内フローラ(腸内細菌叢)」と呼ばれています。
腸内細菌の中には善玉菌、悪玉菌、その中間である日和見菌の3グループが存在し、個人差はありますが、割合としては善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7が理想的だとされています。加えて、腸内に様々な種類の細菌が共存している状態、つまり菌の多様性が高いと外部からの腸内環境の変化に対応することができ、健やかな腸内環境といえます。

豆乳に含まれる腸によい栄養素
腸によい食品と言えば、ヨーグルトや納豆、キムチ、味噌などの発酵食品、また乳酸菌飲料を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。これら、生きた菌を含む食材のことを補菌食材(プロバイオティクス)といいます。ですが、食品などから善玉菌を摂る方法だけではなく、自分の腸内にすでに棲みついている菌たちが喜ぶエサを与えて増やしていく方法も、腸内環境の改善に効果的であることがわかっています。そのエサとなる代表的な栄養成分を含む食材を育菌食材(プレバイオティクス)と呼び、水溶性食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチを多く含む食材がこれに当たります。
豆乳には「大豆オリゴ糖」が含まれているため、育菌食材となり腸活に役立てることができると考えられます。オリゴ糖をエサとする代表的な菌としては、ビフィズス菌が挙げられます。ビフィズス菌とオリゴ糖の両方を摂取すると、体内に菌を取り入れて育てることができるので、相乗効果を生むことが期待できます。

また、腸内環境を整えるためには、多品目の食材を摂ることも大切です。多品目の食材を摂ることで様々な菌にエサを与えるができるので、菌の多様性を高めることに繋がります。補菌食材と育菌食材を参考に様々な食材を取って、良好な腸内環境を目指しましょう。
豆乳を腸活に役立てよう
腸内環境を整えるためには、補菌食材と育菌食材をバランスよく摂取することが重要です。豆乳は「大豆オリゴ糖」を含む育菌食材であり、腸活に役立つと考えられます。さらに、腸内フローラの多様性を保つためには、多種類の食材を取り入れることがポイントです。腸内環境を整える食材の一つとして、食生活に豆乳を取り入れてみてはいかがでしょうか。

- 協力:株式会社サイキンソー
- 腸内フローラをはじめとする人体の常在細菌叢をデータサイエンスの力で解き明かすことで、ヒト、社会、地球環境を健康にするエコシステムの実現を目指し、自宅で採便をすることで腸内環境の様子を簡単に調べることができる腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」等のサービスを展開。